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本日の読書「寄せては返す波のように」(六青みつみ)

38にもなって、好きな子に「エリィ」と呼んでもらえないとしょんぼりする男、エルリンク・クリシュナと、記憶障害を持つ少年ルースの愛のものがたり。

実は、前作「蒼い海に秘めた恋」はあまり作品にのめりこめなかったので、エリィの立ち位置とかよく分からなかったのですが、同人誌で読んだ時から、この2人のお話は好きでした。

一度手痛い失敗をして大事な人を失っているのに、賢さとプライドが邪魔して上手く人を愛せないエリィと、長い間記憶を保つことが出来なくて、大好きなエリィのことでさえも写真や文字に残さないと忘れてしまうルース。

「初めまして。ルース・フォアといいます」
「私の名はエルリンクだ。この部屋にいる間はエリィと呼びなさい」

何度も繰り返される同じやり取りなのに、少しずつ感情が降り積もっていくのが、もう、切なくてですね…。
物語の序盤でこれなら、クライマックスはどんなに悲しい目に遭うの?とか、ビクビクしながら読んだんですが、いざ読み終わってみると、六青みつみさんのファンタジーにしては痛い場面が少なくて甘めな感じのお話でしたね。
六青さんのファンタジーって、何気に受がひどい目に遭う率高いですからね…。(輪○とか)

ルースが誘拐された時はあわや!と思いましたが、結局エリィの怪我ぐらいで済んでよかったです。←!?

そういえば、六青さんの新刊、発売延期になったみたいですね。
楽しみにしていたので、すごく残念です。
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本日の読書「君がこころの月にひかれて」(六青みつみ)

吉弥兄さん……ッ!
(声にならない叫び)


時代モノというのもあって、なかなか手を出せずにいた六青みつみさんの「君がこころの月にひかれて」ですが、いざ読み始めると新書版2段組で250ページを超すボリュームながらも一気に読了してしまいました。
本当に文章力のある作家さんだなあ、と思います。

元は同人誌で発表された作者さんの処女作ということで、六青作品ではお馴染みの健気な受が、これまたお約束のご無体な目に遭ったりしているワケですが、しかしこの作品で一番悲しい目に遭ってるのは誰かと問われれば、私は躊躇なく「吉弥兄さん」と答えるでしょう。
涙で文字が滲んで読めないよ、吉弥兄さん…!(いや、実際には泣いてませんが)

――町人の葉之助は両親を亡くし、陰間茶屋に売られようとしたところを逃げ出し、津藩主藤堂和泉守隆継に拾われる。隆継を一途に慕い、下働きから隆継の側小姓にまでなった葉之助だったが、同僚の罠にかかり、藩邸を追い出されてしまう。生きる気力を無くした葉之助が選んだ道は、人知れず死ぬことだった。腹を切り、瀕死の葉之助を救ったのは、幼なじみの吉弥。一命を取り留めたものの、心に深い傷を負った葉之助は、吉弥と共に人生を歩もうとするが……。(裏表紙のあらすじを丸写し)

葉之助を愛する吉弥兄さんは、いい人すぎて「葉助がその気にならないかぎり決して手は出さない」などとやせ我慢をしています。
ああ、駄目だよ、吉弥兄さん!
BLで当て馬がやせ我慢をするとロクなことにならないんだよ…と危惧した通り、吉弥兄さんは葉之助と最後の一線を越えないうちに下半身を痛めてしまいます。
それでも何とか回復し、何だかんだあった葉之助が再び自分の元に来てくれた時にようやく念願を叶えますが、しかし、無意識な葉之助のつぶやきから、彼の心が未だ隆継のものであることを知り打ちのめされます。

そして数多の障害を乗り越えた葉之助と隆継は、比翼連理の契りを交わし、死が二人を分かつまで仲睦まじく暮らしたらしいですが、私としてはそんなこたあどうでもいい。
ただ、52歳でこの世を去るまで独り身を通した吉弥兄さんが不憫で不憫で…(涙)
ここで吉弥兄さんに捧げる一句。

「やせ我慢 するも辛抱 しないも辛抱」

…ああ、やるせないにゃあ…。

本日の読書「ruin-傷-」(六青みつみ)

久しぶりに六青みつみさんの本に手をだしました。
友人Yのアドバイス通り、同人誌の「一枚の絵」を読んでから、リンクスの「ruin-傷-」へ。こちらも同人誌発表作だったのを大幅改稿して商業で出したみたいですね。

「一枚の絵」ではいじめキャラだったカレスが主人公になってます。
んでもって、六青さんのファンタジーと言えば、これでもか!と言わんばかりに虐げられてしまう受ちゃんですが、カレスの場合、その立場を選んでいるのがあくまでも本人であるというのがね、何ともひねくれていて救いがないというか…悲惨でした。

いえ、勿論カレスを愛してくれるカッコいい攻様は登場してるんですよ。
してるんですが、そのガルドランの愛に身も心も委ねるには、幼い頃から近くにいて一番大事な存在だったライオネルへの思いがなかなか断ち切れないというかね~。
歪んじゃってるんです。
歪み過ぎて自傷行為にまで到ってるくらいに。


自分はライオネルを愛している。

しかしライオネルはエリヤという少年を愛していて自分を愛してはくれない。

かつて自分はライオネルのためとは言えエリヤに対してひどい仕打ちをしてしまった。

では、ライオネルの役に立つだけでなく、エリヤよりももっと辛い目に遭えば、ライオネルは自分を見てくれるようになるのでは―?

どうです、このフォローのしようがない思考パターン。
でも、こうやって書くと思考が歪んでるのかよく分かるのに、作品を読んでる間はカレスに感情移入してしまって、もういじらしくていじらしくてたまりませんでした。

そして、前述したガルドランですが、こんな傷だらけのカレスをありのまま受け入れてくれてます。
更には、もうこれ以上カレスが傷つくことがないように全力で彼を守ろうとさえしてるんですが…。
が…。
彼はあれで報われているんでしょうか…?


こーゆー暗い話も嫌いじゃないんですが、このような攻様生殺し状態のラストはちょっと哀しいような気も…。
ひょっとして続編があるのかしら?
というか続編で、もう少しガルドランとカレスの幸せな姿を垣間見れることを熱望いたします!

本日の読書「遥山の恋」(六青みつみ)

この本のタイトルを「ようざんのこい」と読み勝手に中華ファンタジーだと思いこんでた私は、主人公が御山で拾った青年の名前が橘貴哉という日本名でしかも足利時代のお話だと分かったときには驚きのあまり「ええっ」と声を出してしまいました。(正しくは「はるやまのこい」です)

…それはさておき、人里離れた場所に庵をむすび猟犬のシロと孤独に暮らす紫乃と、裏切りによって領地を失った高鷲荘の若き領主貴哉のお話です。

「健気」という言葉の意味を見失ったら六青みつみさんの作品を読め―――とはBL界の常識(?)ですが、このお話の紫乃も自分の境遇を誰のせいにすることなく受け入れ、手負いの貴哉に思いを寄せながらも自分の気持ちは二の次にしながら誠心誠意尽くしていました。

対する貴哉は領主としてのプライドや命の恩人である紫乃を初めて見たとき痣だらけの姿に驚き、つい「化け物」と言ってしまった気まずさから最初の方こそ紫乃にツラくあたりますが、気持ちを入れ替えてからはそんなに「ひどい男」ではなかったです。

読みながら何となく木原敏江さんの「夢の碑」シリーズを思い出してしまいました。
思い人がなかなか戻ってこなくて、恋する気持ちが怨みに変わっていく感じだとかが似てたのかしら?それにしては先祖の因果である紫乃の痣がなくなる下りは非常にあっさりしてて物足りなかったんですけど。
あとあの場面で「遥山の恋」と「恋襲ね」のお話を区切る必要はあったんでしょうか?なんかすごく中途半端な気が…。

でもこの作品が商業デビュー作というのはすごいと思います。自分の書きたい世界観をきちんと把握している方なのでしょうね。
感想書きそびれましたが「騎士と誓いの花」の設定もすごくしっかりしていて良質なファンタジーとして十分楽しめましたし。

でも、この「遥山の恋」で私のハートを鷲掴みにしたのは実は犬のシロだったりします。

猟犬としての鋭さを見せるシロ。
おじい亡きあと紫乃に忠実に仕えながらも慈しみの視線を湛える(?)シロ。
貴哉と紫乃の関係を歓迎しないながらも渋々認めたシロ。

…そんなシロが、貴哉がお家再興のため紫乃を置いて里に下りてからたった3日後に亡くなるとは紫乃以上にショックでしたよ!(大げさな)
後釜のユキでは私の心の空白は満たされませんでした…。

紫乃と貴哉の恋の結末はいささか無理があるように感じましたが、ご本人が目指したところの「日本昔ばなし風BL」として楽しめた作品でした。

本日の読書「至福の庭」(六青みつみ)

六青みつみさんの作品を読むのは、「リスペクト・キス」「夕陽と君の背中」に続いて、この「至福の庭」で3つ目になります。

基本的にあまりファンタジーが好きではないので、現代物以外の作品は買ったことがないのですが、今回福家書店さんのフェアでいただいたペーパーによるとどうやらそちらの方が本領みたいですね。
一緒に買った同人誌はファンタジーみたいなので、これがよかったら他のものも読んでみたいと思います。

さて、「至福の庭」の感想です。

六青さんの作品といえばけなげな受に対してひどい態度をとっていた傲慢な攻がその存在を失うと急に考えを改めて執着してくる…というパターンしか読んでなかったんですが、今回も見事にそれでした。

人との関わりが苦手な佳人はカウンセラーである兄の仕事を手伝いながらひっそりと暮らしていましたが、ある日兄の留守中にクライアントを名乗る藤堂大司が訪れてきて佳人は恐怖と同時に一目惚れのような感覚も抱いてしまいます。

対人恐怖症なのに一目惚れってアリかよ、とツッコミたくなりますが、読み進めるうちにその理由は解ってきます。

実は藤堂は佳人の学生時代の想い人だったのですが、記憶を封じ込めてしまいたくなるくらい酷い目にあわされていた過去がありました。
それでも彼の姿を見ると惹かれてしまう気持ちが抑えられない佳人は一方で受けた傷の深さから藤堂を恐れてもいます。

その藤堂はかつての自分の行為を猛烈に反省し、ようやく対面出来るようになった佳人に優しく接しようとしますが、独占欲の強さから性急に距離を縮めようとして、まだ昔の傷から立ち直っていない佳人に避けられてしまいます。
それでも何度も家に通い詰めるなどして結局は佳人に受け入れてもらえるようになります。

続編では一応恋人同士として付き合い始めた2人ですが、やはり藤堂のことをどこかで許せないのか精神的苦痛を伴うにも関わらず、それを耐えて藤堂との肉体関係を結ぶ佳人(けなげにも程がある)と、そんな彼に本当に許してもらいたい藤堂の姿が描かれています。

読み終わって気付いたのは2編とも佳人が藤堂を許そうとするきっかけに冷たい水と骨折や流血などの肉体的痛みが使われていることです。
昔佳人が藤堂に冷たくされて遭難しかかった時もやはりその2つがあったので(その時に記憶を閉じ込めた訳ですが)、ひょっとしたらそのことを思い出させる状況が佳人の心を動かしたのかしら、などと考えてしまいました。

しかし、それにしても佳人の懐の深さには恐れ入ります。

それほど藤堂のことが好きなの?やめといたほうがよくないですか?といいたいのは山々なんですが、六青さんもペーパーに書いてらっしるように、好きになってしまえば仕方がないし、そういう人種もいるということなんでしょうね。

六青さんの作品では出てくる攻の傲岸さと攻のけなげさの度合いで好感度が違ってきますが、これまで読んだ中では「リスペクト・キス」が一番バランスがよかったような気がします。
「夕陽と君の背中」は攻の子供っぽい独占欲が許せなくてちょっとダメでしたね。

この「至福の庭」は、うーん、良くもなければ悪くもないような。
ただ佳人のような儚げな受とそれを労るような攻の組合せはキライじゃなかったです。
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