芸人シリーズ第四弾…。
「何でやねん!」に「月も星もない」に、他に何かあったっけ…?
ああ、そう言えば何か食堂絡みの話があったような…。
まあ、いいや。
久我有加さんの最新作「恋で花実は咲くのです」。
発売時期に合わせた紅葉が美しい草間さかえさんのイラストが嬉しい1冊でございました♪
夢破れた元芸人と元マネージャーのお話です。
現役当時もお互いほのかな恋心を抱いていましたが、形にならないうちに元芸人の方が引退を決意し、郷里に帰ってしまいます。
それから三年後。
元芸人の才能と彼への恋心を諦めきれない元マネージャーは、新しい劇場の座付き作家になってほしいとの話を携えて、元芸人が働く温泉街へとやってきて…。
まあ、色々あってくっつく訳ですね。
細かな突っ込みどころはいくつかあれど、やっぱり久我さんの芸人ものは面白いです。
特に会話やモノローグのテンポがよいのですな。
今回も主人公が元お笑いコンビのツッコミの方とあって、恋人の仕事以外での天然ボケぶりに会話でも内心でも容赦なくツッコんでるのが最高です(笑)
初えっちの後も変に甘えたりせずに、うっとおしいまでに世話焼きたがる男に対して、やかましい!と一喝してしまう男前っぷりもまたよいし。
久我さんの本には、付き合い出した2人のその後を描いた後日談が大体書き下ろしでついているのですが、この芸人シリーズの場合、新作自体が前の作品の後日談になってるみたいなところがあって、それもまた楽しみのひとつです。
高校在学時にコンビ結成してた「何でやねん!」のバンデージの土屋と相川も、いつの間にか40代半ばの大御所みたいになってて、それなのにまだまだラブラブな様子が窺えて、思わずほっこりしてしまいます。
久我さんの世界では、お笑いブームが去ってしまっていたので、芸人シリーズも終わりなのかなあ、と思わないでもなかったのですが、今作で少しだけお笑い復活の兆しみたいな感じが描かれていたので、ひょっとしたらまた新作が読めるのかもと期待しています。
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