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本日の読書「疵(スキャンダル)」(かわいゆみこ)

ちまちま買い揃えてた、かわいゆみこさんの「疵(スキャンダル)」。

[冷たい指][いばらの冠][氷点下の恋][籠の中には青い鳥]の4冊読み終わりました!やはりシリーズものは一気に読むのが楽しいですね♪

「透過性恋愛装置」からかわいさんの作品に入ったので、以前「東方美人」のような作風は意外みたいな感想を書いたような気がするんですが、むしろ「透過性…」の北嶋のような受がイレギュラーなのかしら?
「EGOISTE」「東方美人」に続き今回の受も非常に危うい精神状態で凄絶な色気を放っている男でした。

「EGOISTE」とほぼ同じく阪神大震災前後の頃の、旧大蔵省主計局所属の超エリートの2人のお話です。
最初は何となく山崎豊子さんの「華麗なる一族」(これも確か大蔵官僚出てましたよね?)を思い出しながら読んでたんですが、そのうち「BL版キンツマみたい」とか思ってしまいました。とかいいながらキンツマ見てなかったので実際どういう展開だったのかは知らないんですけども。

大蔵省エリートといえば、よしながふみさんの「月とサンダル」のジャイアンもそうでしたか。
彼はゲイと静かに公言して独身を貫いたようですが、このお話の桐原と司馬の場合、年も30を超えて妻も子もありながら関係を持ってしまっています。
とは言え、それぞれの結婚生活は既に破綻していましたし、結婚生活によって自分の価値観を徹底的に否定されなかったら、この2人が結び付くこともなかったのではないかな、とも思うんですけどね。

大蔵官僚として将来に野心もある桐原は望まれて財界の有力者の一人娘と結婚して婿養子に入りますが、子どもが出来ない原因が自分にあると知りショックを受けます。
もともと気詰まりだった妻との関係は更にぎくしゃくし、憤る養父からは種なしの役立たずと罵られた挙げ句に少しでも桐原の家のためになってみろと男色趣味のある大物政治家篠田に取り入ることを強要されてしまいます。
これまで順調に出世コースを歩んできた桐原は、子どもが出来ないからといって簡単に離婚して経歴に傷をつける訳にもいかず篠田との関係を受け入れるという苦渋の選択をします。
しかし、あまりの嫌悪感と精神的苦痛で性的不能に陥ってしまいます。

そんな逃げ場のない日々の中ハードな業務をこなしていた桐原は、ある朝突然妻の弥生から妊娠したことを告げらます。平然と他人の子を産むと言い切る妻の仕打ちに、これまで自分がしてきたことの意味を見失った桐原は張り詰めた糸が切れるように精神的に壊れかけてしまいます。

一方、出来婚を後悔していた司馬は妻の身勝手な行動に愛想を尽かし離婚は受け入れましたが愛する子どもと離れて暮らすことには納得できずに苛立つ日々を過ごしていました。

そしてその雨の夜。

司馬は道で倒れ込んでしまった桐原に手を貸し、ホテルへ連れて行きますが、ここからただの同期でライバルに過ぎなかった2人の関係が変わり始めるのです。

もう殆ど壊れていた桐原は自分の抱える悩みを無意識のうちに口にして司馬に助けを求め、一人にしないでくれと縋ります。司馬は普段の冷静な桐原からは想像もできない哀れな姿に戸惑いながらも、危うい色香を放つ桐原を抱いてしまいます。

この段階では抱いてやる立場の司馬の方が優位に立っている感じでしたが、何もかも失いながらもしぶとく生き続ける桐原が様々な出来事を通して人間的に成長していきますし、司馬も痛みと挫折を知る人間になったりして、やがて対等に愛し合う関係になっていきます。

大蔵省の最前線で働く2人の男が仕事と家庭のせめぎ合いの中、互いの気持ちを確かめ合っていく物語は、少々無理のある展開ながらも続きが気になって一気に読めてしまいました。
というか、桐原の置かれた境遇はかなり特異ではありますし、少々の無理はやむを得ないとは思うのですけどね。

あと、かわいさんの描く攻は受に較べると印象が薄いような気がするのですが今回もやはりそうでした。
男の尊厳を踏みにじられまくりの桐原に比べて司馬不幸のテンプレなこと(^^;)
作者の歪んだ愛?の不幸が降り注ぐ度に、桐原の色気が増していく感じがしましたよ。

それにしても大蔵省は激務とは聞いていましたが、この2人もよくこんな状況で愛を育めるなあ、と思うくらいお仕事・残業・休日出勤しまくりでした。
予算編成の時期にやさぐれがちな公務員女子の方はこの作品を読んだら少しは慰められたりしませんかね?
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