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本日の読書「東方美人」(かわい有美子)

KとGとB。

この3つのアルファベットが並んでいると、ごく自然にかーげーべーと読んでしまうほどには馴染んでしまっている某国の組織。
事実上の活動内容はよく知りませんが、何となく、しーあいえーよりも好感度が高いのはやはり「エロイカ」の影響なんでしょうかねえ。

その組織の方々の、まだソビエトという国家とベルリンの壁が存在した頃のお話です。

かわい有美子さんの作品はまだそれほど読んではいないのですが、何となく優しい日常的なお話を書かれる方なのかなと思っていたので、こんな外国のスパイものなんて似合わないのでは?と勝手に思い込んでいたのですが、これがなかなかよかったです。

海軍の将校からKGBの工作員に引き抜かれたアレクセイは初めての任務のため西ベルリンへと赴き、そこで「伯爵」というコードネームを持つ怜悧な美貌の男サエキと諜報員としての指導を受けながら生活を共にすることになります。

際立った美貌と頭脳を武器に任務を着実にこなしながらも、どこか不安定な脆さを感じさせるサエキと、諜報員にしては生真面目で優しくて人好きのするアレクセイ。

自分以外は安易に信用できない危うい環境に身を置きながら、サエキはアレクセイこそ自分が探し続けていた半身だと思い、そしてアレクセイはそれが祖国への裏切りに繋がっていくことも承知の上でサエキに永遠の忠誠を誓う…というお話です。

ソビエトだとか東西ドイツだとかの言葉が既に自分の中ではノスタルジックな響きになっているのにちょっと驚きながら読みました。
そういえば結構激動な時代に居合わせていたんだなあ、と。

あと少しで壁の崩壊を迎える西ベルリンの街という舞台に諜報員としての任務と孤独がすごくマッチしていて、良質な物語として楽しめました。

サエキとアレクセイが互いに惹かれ合うのも緊迫感があってよかったですし、あとKGBの仲間のソフィアが、サエキとは悪し様に罵り合うような犬猿の仲なのにアレクセイに対しては親切で、2人の関係を忌々しく思いながらも黙認してるのが素敵でした。

読みながら「魔弾の射手」の少佐や「ロシアン・エクスプレス」のスラブ美人が思い出されましたが、このあたりの作品を読んできた世代には非常に好ましいお話ではないかなと思います。

1と2が出ていて、あとがきによれば3で最終巻とのことなのですが、ちゃんと出てくれるのかしら?
ご本人のブログで「ちょっと厳しいかも」というような内容のコメントを見たような気がするのですが、そんなことはないですよね…?

2人の幸せな結末が読める日を心待ちにしております。
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