スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

本日の読書「利休の死」「本覚坊遺文」(井上靖)

「真田太平記」を読んで以来、細々と真田ものを始め戦国時代小説を読んでいたりするのですが、その流れでこの作品に出会いました。

井上靖氏の「利休の死」。

「井上靖歴史小説集第十巻 真田軍記」に収められている短編です。
「真田軍記」の文庫本が絶版だったため、代わりにこちらを図書館で借りてきました。

最初はお目当ての「真田軍記」だけ読んで返却するつもりだったのですが、せっかくだし全部読んでみるか…と読んでみたところ、特に強い印象が残ったのが、この「利休の死」。

秀吉の勘気に触れ、堺を追われた利休が、死を賜るその日に、ある予感をもって秀吉との関わりを振り返る―という、20ページほどの短い作品です。

私は茶道も習っていないし、戦国時代に特に強い関心があった訳でもないので、利休の死について謎が多いなんてことは、ドラマ「相棒」の中で初めて知ったくらいですが、却ってそれがよかったのか、すんなりと秀吉と利休の対峙する関係について納得することができました。

世間で取り沙汰されているどの理由も、確かに秀吉の不興を買った一因として否定はできないけれど、しかし、この日の来ることは、秀吉と出会ったその日から分かっていた―。
みたいなことを、淡々と利休の視点で綴ってあるのですが、この利休の目から見た秀吉が、これまで私がぼんやりと抱いていた秀吉像とは異なっていて、ちょっと秀吉の美意識について興味が出てきた感じです。

で、井上氏には、他にも利休について書いた本があるらしい、ということで買ってみたのが「本覚坊遺文」。

こちらは利休の弟子の本覚坊が、師利休の死後、師を知る人と師について語り合っては、師の生き様を振り返る…といったようなお話です。

寄せては返す波のように、師利休に縁の人々―古田織部や織田有楽など―が本覚坊の前に現れては、利休の死について思うところを語り、そして彼らもまた死んでいく…という幻想的な趣のある美しい文章で、文学的にはこちらの方が完成度が高いんでしょうけど、私は「利休の死」の方が好きかなあ。

「本覚坊遺文」でも、本覚坊の語りを通して、利休の死について結論づけているようではありますが、「利休の死」を踏まえて読むと、これもまた一つの推測に過ぎないのだよなあ…と、思わないでもなくて、結局「利休の死」ほどのインパクトは私にはなかった、というのが率直な感想です。

でも、図書館から借りた本がきっかけで、自分の守備範囲外の面白い作品に出会えたのは本好きには嬉しい出来事でした。
また何か借りてこなくちゃ。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
06 | 2018/07 | 08
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
FC2カウンター
プロフィール

かりんこ

Author:かりんこ

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
RSSリンクの表示
検索フォーム
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。